エリザベス・アラウホが伝える気付きと自分自身を愛するということ 〜古代マヤ族の叡智を世に広める グランドマザーにインタビュー!! 〜

マヤ族評議会を代表して様々な国々でワークショップやセミナーを通し、マヤ族の叡智やメッセージを広めているエリザベス・アラウホさん。”世界のグランマ”と呼ばれ、親しまれる彼女の言葉には多くの人々が気付きを得ています。今回のインタビューでは、日々身の回りにあるものに感謝をして、“ 今 ” を大事に生きていくという、当たり前のようで忘れかけていた暖かいメッセージをたくさん頂きました。統合の時代を生きていく現代人にとって必見の内容です。

 ^{エルサルバトル出身 グアテマラ在住 マヤ族グランドマザー}
エリザベス・アラウホ (Elizabeth Araujo)

^{愛らしい笑顔で和やかな人柄のなかに強い意志と叡智を合わせ持ったマヤ族のグランドマザー。マヤ族全国評議会のメンバーで、20年近くに渡ってマヤ族最高長老・アレハンドロ・シリロ・ペレス・オクスラと共に世界中を祈り、巡礼している（現在はエリザベスのみ）。マヤ族伝統の神聖な火のセレモニーを執り行ったり、スピリチュアルな旅のガイドをしている。}

あなたにとってのスピリチュアル的な目醒めについて教えてください

それは、日々気付きを持っていることです。全てにおいての気付きです。そして「今、ここ」にいることです。

スピリチュアル的に目醒めたのはいつ頃ですか？

それは個人の成長によるものです。昨日今日起きることではありません。人生を通して段階的に起きるものです。肉体的に成長することと同じように、感情的、精神的にも成長します。スピリチュアルな人格も日々少しずつ成長します。急に起きることではなく、人生の中で進歩していくものです。

では、いつ覚醒したというのは特にないのですか？

ないです。

日々少しずつということなのですか ?

そうです、経験を通して起きていくのです。自然に山や谷があるように、人生にもアップンダウンがあります。すべての出来事は過ぎ去っていきますが、あなたがもっと気付きを持っていればあなたの周りのものから学ぶことができ、覚醒していくのです。特にこれといったものではありません。多くの人々は人生の重要な出来事により覚醒します。死にかけるような経験を通して変化して目醒める人もいます。でも私は違います。私はそういった経験はなく、長い時間をかけて覚醒しました。

あなたはマヤの神様からメッセージを受け取っていますか？

それは、チャネリングと呼ばれるものだと思いますが、私はそういったメッセージは受け取ったことはありません。なぜならメッセージは自分の中からくるのです（笑）。自分の中に神がいますから。

確かにそうですね

自分の内側の声を聞けば、メッセージを受け取れます。私は誰かから聞いたと言いません。それは自分自身に聞くのです。（手を胸に当てて）自分自身のハートに聞くのです。

ハートの内側に従うのですね

そうです、全て。もちろん、何かに意識を集中するか知りたいことを明確にする必要がありますが、答えはあなたのハートの奥深くにあります。問題はときどき自分自身を信用せずに疑ったりしてしまうことです。

ハートの声を聞く方法、答えを知る簡単な方法はありますか？

それは今やるべきことの一つかもしれません。単に自分に聞くだけでなく、自分がどうなったら良いか、誰を喜ばせるべきかではなく、何が自分の人生にとって本当に重要であるかを自分のハートに聞くのです。人々はときどき、他人を喜ばせたいからとか、他人を傷つけたくないからといった理由で物事を決めています。そのために自分の声を否定してしまうのです。誰かを喜ばせたい、傷つけたくない、怒らせたり、傷つけたりしてしまうかもしれないと、他人と上手く付き合いたいがために自分を操作してしまうのです。ただ自分の声を感じるということは、「これが私です、これが私が思うことです、これが私の今やりたいことです」と言うことです。

あなたが普段やっているスピリチャルな習慣を教えてください

朝起きて最初にすることは、“ 今日 ” という新しい日に感謝をすることです。なぜなら寝ている間に私たちのスピリットは本来の状態になっています。だから毎朝、新しい1日に、人生に感謝をするのです。そして、自分の感じること、例えば「今日は何をするか」、「どう感じているか」を自分に尋ねて、「良い気分を感じています、ありがとうございます」と言うのです。

一日の終わりに何かしますか？

ただその日の流れに従って、できるだけ気付きを持っているようにします。私たちはときどき「あれをやってこれをやって……」と、毎日の規則的な習慣に捕らわれてしまって難しいこともありますが、「今この瞬間にいる」と意識することが大切です。そして自分の感覚を信じることです。私たちは頭の中にいろいろなことがありすぎて、自分自身を感じると言うことができていないことがあります。例えば、シャワーを浴びるとき、お湯が冷たいとか暖かいとか考えるのではなくて、何も考えず、ただ水を感じて、それに感謝していてください。

私たちは感謝を忘れがちですね。食べ物などにも

そうです、食べ物も、何も考えずに食べていたりしますよね。

全てにおいて感謝をしなければいけませんね。住む家があることにも

他にも言えるのは、私たちが見るものや言うこと全てにおいてクリーンでいることです。例えば、テレビはとても害があります。本当に良い番組はとても少なくて、ほとんどがゴシップなど、良くない影響を与えるものです。スペイン語のテレビ番組や、英語のも同じく。でもインドなどに行くと、良いTV番組もあります。

どこの国が良いTV番組がありますか？

日本もありますよ。良いニュース番組があるのを見ました。日本語はわからないですけど（笑）。でも、スペイン語のテレビでは人気番組の話題はセックスやゴシップなど同じようなものばかりです。それは人々の心を邪魔します。それは人々の心に囁きかけるようなものです、特に男性にとっては。なぜなら男性はセクシャルなエネルギーにとらわれやすいからです。最近のポップシンガーなどの女性を見てください、私から見ると下着のような格好で登場しますよね。以前は歌手などもきちんとした服装で登場したものですが。

確かにそうですね。ああいう人が多いので見慣れてしまいました

露出すればするほど男性たちは美しいものに対する感覚、精神的な美しさを見ることができなくなってしまいます。

確かにそれには同感です。普通ではないですね

インドを見てください、TVをつけると素晴らしい歌や踊りを演じています。全然違います。一方でアメリカのテレビをつけると真逆です。

そうですね。名声を得ることやお金、色気やドラッグなど。そして、人々はそれに慣れていってしまいます。それが普通だと思ってしまうのです

それはおかしいですよね。普通じゃないです。

若い人たちはそんな番組を見て格好いいと思い、自分もあんな風になりたいと思ったりしてしまう、まるで洗脳ですね

洗脳、まさにそれです。お金儲けのためにそれを売っているのです。

マザーアースにとって最も重要なことは何ですか？

それは私たちや私たちの子供達がマザーアースを尊ぶことです。私たちは長年それを失っていました。マザーアースを尊ぶことを忘れて、私たちは自分たちの欲求ばかりを満たしてきました。今こそ自然の力に触れ、きっちりと必要な分だけを得るようにするべきときなのです。昔はそうしていたのです。農民は必要な分だけ作物を採り、余った分は動物たちに与えていました。でも今、アメリカなどの国は必要以上に収穫し、多すぎて保管もできず、ただただ食べ物を捨てているのです。これはマザーアースに対する虐待です。お金儲けのためにマザーアースを利用することしか考えず、未来のことを考えていないのですから。一番重要なことは、人々が目醒めて、失くしてしまったマザーアースを敬うことです。

マザーアースを破壊することをやめて動物や木や自然を守ることですね

最近ここ日本でまた捕鯨が始まりました。そしてアフリカのガーナでは政府が象を殺すことを許可しました。彼らは人々が象を撃ち殺すための門戸を開いたのです。そしてそれが実際に行われているのです。他にもみなさんが覚えているかわかりませんが、アメリカの歯科医が自分が殺したライオンを自慢げにインターネットで見せていました。そんなことができる自分はそれだけ強いのだというプライドのためです。

銃でライオンに勝ったということで自分の強さを見せつけたかったのでしょう

そうです、動物の美しさを見ることや考えるということをせずに。動物たちも私たちと同様にマザーアースの子供たちなのです。人間たちが生きる権利があるように動物たちにも生きる権利があるのです。

重要なことですね

私たちの祖先が残した教えとは、私たちは地球の保護者であり、地球を守るためにここにいるのです。でも私たちがしてきたことはその逆です。

最後の質問ですが、今目醒めつつある人々に何かメッセージはありますか？ 今、多くの人々が目醒め始めているのではないかと思います。どれくらいの人が目醒めているかわかりませんが、宇宙のゲートが開いている今、多くの人に目醒めの機会があるので

私たちは新しい時代に入りました。“ 統合 ” と “ 女性エネルギー ” の時代です。最近生まれてくる子供たちは、その流れを持って生まれてきます。すでにオープンで目醒めている子供たちで、親たちの学びのために生まれてきています。子供たちは両親の存在を感じるためにいろいろなことをするのです。両親が働いていて保育園で育つ子供たちは両親と過ごす時間がほんの数時間です。そして両親は家に帰ると家事や他のことで大忙しです。ですから、子供たちは満たされず十分に愛されていないと感じることがあります。愛は良い生活の基盤です。子供に愛していると言葉で言うだけではなく、子供は愛を感じなければいけません。子供たちは愛されていると感じ、安心できる居場所があると思えば、彼らはそれを証明するでしょう。なぜなら彼らは未来であり、私たちの将来の政府となるのです。子供たちが愛と情熱と気遣いを持って成長していけば、今の私たちが見ている現状とは違う方法で国を導いてくれるでしょう。今は未来のことを考えずにどうやってお金を儲けるかということばかりです。今のことでいっぱいいっぱいで、将来的にどうなってしまうのかや将来引き起こるであろうダメージのことを考えていません。良いことをしていると見せたいだけなのです。

本当にそうですね

ですから、私たちは子供たちを愛すことです。どう指導していくか、どう躾るかを知ることです。親や社会は忙しすぎて子供たちを叱るときに愛を失くしてしまっています。私たちは愛を持って子供たちを躾けるべきです。

子供たちがもっと自信を持てるように……

そして子供たちはその方が安心を感じるし、言うことを聞かせるためにただ叩かれたり物を与えられたりするよりも、自分たちを気にかけてくれていると感じるでしょう。今の子供たちはいろいろな種類の玩具やゲームなどを持っています。それらは、愛の代用品のようになっていますが代わりにはならないのです。愛は全く別物です。愛の言葉だけでも子供たちの内面に働きかけるのです。

ところで、あなたはなぜそんなに愛に溢れているのですか？ときどき私には愛が足りないと思うことがあります。もっと人や動物や自然を愛さなければと思います。でもあなたはいつでもどこでも愛に溢れていて笑顔で幸せでいますね

さっきも言ったように、人生にはアップンダウンがあって、それはみなさんがそれぞれ通っていく道です。でも全ての瞬間が贈り物なのです。孤独を感じたとき、あなたは一人ではないということを思い出してください。なぜならあなたには天上界につながるコードが付いているのです。あなたはそのコードにつながって生かされているのですから、創造者はいつもあなたと共にいるのです。

このメッセージは特に気付きをくれました

今悲しみを感じているのは私ではなく、“ 悲しみ ” というものがただ私の中を通り過ぎているのだと言えば良いのです。それはただの瞬間であって内側の私ではないと。

悲しみを捨て去ればいいのですね

誰か覚えていないのですが、祖先の一人がこう言いました。「砂漠の中で迷子になってしまったとき、それでも今この瞬間私は生きている」と。もうダメだと言って座り込む代わりに今この瞬間自分は生きているのだと言うことで彼はその場を切り抜けることができたのです。

同じ状況でも気の持ち方で全く変わりますね

そうです、今この瞬間に生きるのです。「もう死んでしまう」と言う代わりに「生きている」と言うのです。

この素晴らしい考え方を日常に生かしていきたいです。同じ状況でも、もっと素晴らしい瞬間に生きることですね

今この瞬間、「自分は全てを持っている」と言うことです。「私は今この瞬間がこれ以上ないほど完全である」と。しばしば私たちは自分たちを批判し過ぎています。他人から完璧だと思われたいために、自分自身を批判しすぎてしまうのです。たくさんの小さな失敗や間違いをしてきましたが、それらは未来を創っているのです。もし痛みや患ったことがなければ、どうやって他の人たちの痛みや患う気持ちをわかってあげることができるでしょうか。痛みを感じたことがなければ他人をわかってあげることはできないのです。痛みを感じた経験があれば他人の痛みに思いやりを持って接することができるのです。もし経験がなければ、他人に思いやりを持つことができません。

痛みは教師なのですね

そうです、痛みは教師です。でもそれはあなたが気付き、ありがたいと思っている場合です。なぜなら気付いていればその痛みは一時的なものであって、それによって学ぶことができるとわかっているからです。そして他人を理解できるようになるとわかるからです。

深い愛と温かさを感じます

あなたが自分自身を愛していなければ他人を愛することもできないのです。ですから自分自身を愛して、人生に感謝を忘れないことです。

ありがとうございます

インタビュー・構成：小泉いな子